アメリカ軍のハンドガントライアルが世界中のハンドガンの流れを決める!
東京マルイ シグ・ザウエル P226 レイル 18歳以上ガスブローバックガン
NAVY SEALSに採用されたSIG/SAUER P226
2017年に時期アメリカ軍制式採用サイドアームとしてSIGP320の採用がアナウンスされました。1985年のトライアル同様に、今回も各国の銃器メーカーがこのトライアルに参加して熾烈な戦いが繰り広げられたのです。
このアメリカ軍が行うトライアルに要求されるスペックが、その後の各国のハンドガンデザインの方向性を決めるといっても過言ではありません。今回は、そういった視点からアメリカと日本の制式採用サイドアームについて、ご説明します。
アメリカ軍のサイドアームの流れ
東京マルイ M1911A1 コルトガバメント 18歳以上ガスブローバックガン
M1911が各国のハンドガンに与えた影響とは
コルトM1911及びM1911A1は、米軍制式拳銃としてジョン・ブローニングがコルト社から依頼されて開発した軍用オートマチックピストルです。1911年当時の各国の軍用拳銃の主流は、リボルバーからオートマチックへと移行していく時期でした。
ドイツのモーゼル、ルガー、日本の14年式拳銃、フランスのMAB、イタリアのベレッタM1915など、各国のハンドガンは今と比べると実に独特で多彩なデザインがなされていました。
東京マルイ MEUピストル 18歳以上ガスブローバックガン
その中でも、ブローニングのデザインしたM1911は、後世のガンデザイナーに多大なる影響を残し、同世代の軍用拳銃たちが軒並み博物館のアイテムとなる中、設計から100年以上経った現在でも第一級のハンドガンとしてアメリカを中心に多くのシューターから愛用されています。
特に、バレルを上下にティルトさせてスライドとバレルのロックと解く「リンクドショートリコイル」は、その後改良され、「ブローニング式ショートリコイル」として、現在のオートマチックハンドガンに脈々と受け継がれています。
1985年の米軍制式ピストルトライアルが各国ハンドガンに与えた影響とは?
東京マルイ M92F ミリタリーモデル 18歳以上ガスブローバックガン
制式採用から70年以上に渡って米軍にご奉公したM1911ですが、さすがに老朽化が言われるようになり、またANTOの制式ピストルの口径が9×19ミリであったため、米軍もこれに合わせて9ミリ口径のピストルを制式採用する必要にせまられていたのです。
そのため、M1911に替わる米軍制式ピストルのトライアルが行われることになりました。そのトライアルに要求されたスペックはとても厳しいもので、当時の「月刊GUN」誌にも、「猫の子の中から虎の子を見つけるようなもの」と揶揄されるほどでした。
その要求スペックの中で特に記憶に残っているものが、
- ※ダブルアクションであること、
- ※装弾数は10発以上、できれば15発以上が望ましい、
- ※マニュアルセィフティーはファイアリングピンをダイレクトにロックし、デコッキング機能を有すること、さらにアンビ(左右どちらからも操作可能)であること、
- ※マガジンセィフティーは付けないこと、
- ※ローディングインジケーターを備えているもの、などがありました。
この厳しい米軍のミルスペックが、1985年以降のミリポリ系ハンドガンの一つの基準になったのです。
口径9ミリでダブルカァラムマガジン、装弾数15発以上、アンビセフティーにローディングインジケーターとマガジンキャッチボタンによる素早いリロードという仕様が、この時から政府機関はもとより、一般のシューター達がハンドガンを求める際の一つの基準となりました。
ベレッタM9が後世に与えた影響とは?
東京マルイ U.S. M9 PISTOL 18歳以上 ガスブローバック
このトライアルの結果、米軍制式採用ピストルの座を勝ち得たのはイタリアの銃器メーカーであるピエトロ・ベレッタ社が提出したM92Fであることは皆さんもご存知の通りです。この92Fが後世のハンドガンに多くの影響を与えたのが、インターナルセフティーの搭載です。
別名、「オートマチックファイアリングブロック」と呼ばれるもので、人の指でトリガーを引いた時だけにハンマーの打撃をファイアリングピンがカートリッジのプライマーに伝わるようになっている構造で、それ以外の場合では確実にファイアリングピンをロックする機構です。
この「AMFB」自体は、1935年に開発されたドイツの「ワルサーP38」で、既に実用化されていたのですが、それ以降のハンドガンに搭載されることは殆どありませんでした。
しかし、1985年のトライアルに提出されたベレッタM92Fに搭載されたことによって、一挙にその安全性が注目され、それ以降のミリポリ系ハンドガンにはほとんどが搭載されるようになりました。
2015年の米軍制式ピストルトライアルが各国ハンドガンに与えた影響とは
次期米軍制式ピストル SIG/SUAER P320
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベレッタM92Fが米軍制式採用ハンドガン「U.S.PISTOL M9」として採用されてから30数年後の2017年に、米軍次期制式採用ピストルとして、SIG/SUAER社の「P320」を「M17」&「M18」として仮採用したとアナウンスが流れました。
前回の85年のトライアルの選定基準は前述した通りですが、今回のトライアルの選定基準で一番重要視されたのが、「MHS(モジュラーハンドガンシステム)」というハンドガンの運用思想です。実はこのトライアルの影響は既に他のハンドガンにも見られます。
グリップの大きさが変えられるハンドガン
東京マルイ S&W M&P 9 18歳以上ガスブローバック
一番分かりやすいのは、グリップのバックストラップを交換することによって、各人の手の大きさに対応できるグリップシステムです。すでに、S&W、H&K、FN、スタームルガーといった銃器メーカーがこのMHS対応のハンドガンを発表しています。今後も、このトライアルの影響は、ハンドガンのデザインに多大な影響を及ぼすでしょう。
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